
舞台女優のマートルは新作「第二の女」に取り組んでいた。ある豪雨の夜、楽屋口に群がる熱狂的なファンのひとりが彼女の目をひきつける。ずぶ濡れのままマートルにすがりつき“アイ・ラヴ・ユー”と繰り返していた少女はその直後、車に跳ねられて即死した。以来マートルは精神に変調をきたし、リハーサルすらこなせない日々を送る。そしてNY公演の初日、開幕を控えた彼女はついに失踪してしまう──。
『こわれゆく女』(74)の姉妹編ともいえる、女優ジーナ・ローランズの代表作。老いの恐怖と闘う中年女性の孤独を鬼気迫る演技で見せる本作は、事実上の初公開であった'88年のニューヨーク映画祭を興奮の渦に叩き込んだ。本作の劇中劇において、ジョンとジーナのおしどり夫婦は唯一“夫婦役”として共演を果たしている。出演はほかにベン・ギャザラ、ゾーラ・ランパート。