6月25日発売 ブルーレイ・ディスク 山猫

「本BDは私の視感覚と心をわし掴みにした。フィルムはこれほどの華麗で豪奢な色と輝度の情報を持っていたのか。こんなにも濃密だったのか。最近の映画のスマートですっきりとしたデジタル調とは異質な徹底した人間臭いシネマ美。老いと若さ、旧世代と新世代、時代の急速なる回転……という本作品のテーマが、銀の粒子の一粒一粒に凝縮されているようだ。ここまで完璧に修復されて初めて、ヴィスコンティ芸術は、これほどの情緒美と絢爛な情報量に支えられていたのかと識れる歴史的BDである。」麻倉怜士(オーディオ・ビジュアル評論家)

「これぞ全映画ファンが待ち望んだ夢のソフト!約半世紀も前の映画が、完璧なレストアとブルーレイの解像度をフルに使いきった高画質で、これ以上はあり得ないレベルで甦った。画面に映る全てのディテールを見渡せば、「山猫」が名画と言われる所以を誰もが知ることができるだろう。ヴィスコンティ監督ならではの映像美を、正確なアスペクトで収録したことにも拍手を送りたい。知人に「ブルーレイの高画質を実感できるソフトは何か?」と聞かれれば、迷うことなく本作を推薦する。 ルキーノ・ヴィスコンティ監督の、本物に対する徹底したこだわりを誰もが手にできる、こんな時代に生きていたことに歓びを感じずにいられない。 」飯塚克味(BD&DVDライター)

これまでさまざまな映画をブルーレイで観てきたが、本ディスクほど「画質」に感激した作品はない。ノイズ極少、キレ味抜群のハイコントラスト映像で、色数の多さは唖然とするほど。門外不出のマスターポジが我が家に届いたかのような感激を覚えた。じつは学生時代に岩波ホールで本作の「イタリア語完全修復版」を観て、後半の舞踏会のシークエンスで爆睡した記憶があるのだが(恥)、このディスクで初めてじっくり舞踏会場面を観て、本物だけが生み出せる絢爛豪華な映像の求心力に圧倒された次第。(寝てたクセに)没落貴族の哀しみ?ナンボのもんじゃいと冷笑していた愚かだった二十代前半のぼく。その三十年後にこの映画の真の凄さを教えてくれるのだから、ホームシアターって侮れない。ヴィスコンティ彫心鏤骨の傑作のほんとうの魅力を教えてくれた、このブルーレイの制作陣に深く感謝したい。  AV評論家 山本浩司

10年ほど前に、シチリアを旅したことがある。カターニャ空港からタオルミナまで、車に乗った。その時に驚いたのは、真っ青な空と荒涼とした禿山だった。強い日差しの下で草木も生えない禿山に、その自然の過酷さを知った。今度ブルーレイで発売された『山猫』を見て、一番最初に思ったのは、そのことだった。華麗な舞踏会に目が奪われがちだが、これだけ青空と禿山がくっきり見えると、『山猫』の印象が変わってくる。そしてバート・ランカスターやアラン・ドロンの青い瞳と、クラウディア・カルディナーレの黒い瞳の違いが際立っていた。貴族が生き抜くために、成り上がりの家系と一緒になるという感じがよく出ている。それ以外にも兵士の赤シャツや青シャツ、黒い軍服に青い帯や金の飾りなど、何とも色彩鮮やかな映画だと改めて思った。 そして最後に舞踏会を去るバート・ランカスターの、白いスカーフの目立つこと。終わりゆく貴族の姿が、痛切に迫ってくる。これもブルーレイならでは。 古賀太(日本大学芸術学部教授/映画史)

山猫 ブルーレイ

税込 7,560円 (税抜 7,200円)
KKBS-5/1963年/イタリア = フランス合作/
本編186分+特典2分/カラー/片面・2層/
MPEG4-AVC/イタリア語モノラル リニアPCM/
日本語字幕 翻訳:清水馨/ワイドスクリーン 2.55:1 1920×1080p FULL HD スコープサイズ

映像特典:2004年日本公開時予告編(SD画質)

発売元:IMAGICA TV 販売元:紀伊國屋書店

1963年カンヌ国際映画祭グランプリ! ヴィスコンティ藝術の最高峰が、12,000時間の修復を経て、今ブルーレイ・ディスクで甦る。

シチリアの大地に最後の輝きを放つ、貴族たちの壮麗な落日。 滅びゆく者の美学を豪華絢爛に描く一大叙事詩。

1860年、イタリアは近代国家に統一される歴史的変革のときを迎え、山猫の紋章で知られるシチリアの名門貴族サリーナ公爵家にもその波は押し寄せていた。一方、公爵の甥のタンクレディは革命軍に参加、やがて新興ブルジョワジーの絶世の美女アンジェリカと出会い、恋に落ちる。周囲の反対を抑え、若い恋人たちの婚約を後押しするサリーナ公爵。それは、一家の存続と将来を見据えた上での決断であった──。

映画界の巨星ルキーノ・ヴィスコンティの代表作にして、1963年カンヌ国際映画祭グランプリに輝いた壮大なスケールの歴史的傑作。このブルーレイ・ディスクは、2010年のカンヌ国際映画祭でお披露目された最新の修復版HDマスターより制作。修復にあたってはマーティン・スコセッシ監督が率いる米国のザ・フィルム・ファウンデーションが音頭を取り、本編の撮影監督だったジュゼッペ・ロトゥンノが監修を務めた。かつてない最高のクオリティの『山猫』をBDで所有できる歓び。心ゆくまでご堪能ください。

まずはこの素晴らしい画質をご覧ください。 (全て今回のHDマスターからキャプチャーした画像です)

『山猫』のブルーレイはここがスゴイ!

最新・最高の『山猫』が味わえるのは、このブルーレイだけ!

今回のブルーレイのマスターは、昨年(2010年)のカンヌ国際映画祭でアラン・ドロンやクラウディア・カルディナーレも列席してお披露目された、まったく新しい修復版です。ファッション・ブランドとしておなじみイタリアの企業グッチと、米国で映画文化の保存に尽力しているNPO、ザ・フィルム・ファウンデーション(代表はマーティン・スコセッシ)が音頭を取り、多くの映画会社やフィルム・アーカイヴ、ラボやスタジオが協力して完成しました。撮影時のオリジナル・ネガ、それがない場合はインターポジからHDのデジタル・データに変換され、未だ存命の当時の撮影監督ジュゼッペ・ロトゥンノの監修の元、色彩の補正が行われました。さらに長年の間にフィルム上に蓄積された傷やゴミなどをデジタル技術で(とは言え、ほとんどが手作業です)12,000時間以上をかけて修復。単純に24時間で割っても500日!ご購入いただければお分かりいただけると思いますが、本当に色鮮やかな画面が甦っています。そしてヴィスコンティの凝りに凝ったセットや小道具、シチリアの美しい風景が細部に至るまでシャープに再現されているので、「もっと大きな画面で観たい!」とどなたもが思われることでしょう。

未だこの2010年修復版は日本では劇場公開されていません。また先行して米国で出ていたクライテリオン社のブルーレイはこのマスターとは別の修復版から作られたもので(そちらもロトゥンノの監修ではあるのですが)、70mm上映時の画面比2.21:1を再現しようとする意図から、今回日本で発売するブルーレイに比べると画面の左右が若干トリミングされ、欠けています。一方、本商品は35mm上映のスコープ画面の比率である2.55:1で収録。撮影時に意図された完全なフレームをご堪能いただけます。現時点で最新、最高の『山猫』をお楽しみいただけるのは、日本で発売されるこのブルーレイなのです!

上品なパッケージと内容豊富なブックレット。

せっかく大好きな映画のブルーレイを買ったのに、ビニールを破って青いプラケースを開けてみたら、ただディスクが一枚ポツン……映画史に燦然と輝く、堂々たる風格の『山猫』にはそんな軽々しい仕様は似合いません。落ち着いた紙製のスリーブに、いわゆるデジパック・タイプの見開きのディスクケースを採用。内側のポケットには読み応えたっぷり、44ページの解説ブックレットも封入されています。ヴィスコンティと言えばこの人!の映画評論家・柳澤一博さんのエッセイやスタッフ、キャストのプロフィール、やはりヴィスコンティ関連のご執筆が多い内田達夫さんによるイントロダクションとプロダクション・ノート、さらに『山猫』の撮影・上映方式であった「テクニラマ」についての詳細な解説を三隅繁さんにお願いしました。巻頭を飾るのは今回の修復版に寄せたマーティン・スコセッシのメッセージです。

スタッフ

監督:
ルキーノ・ヴィスコンティ
原作:
ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサ
脚色:
スーゾ・チェッキ・ダミーコ、エンリコ・メディオーリ、パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ、マッシモ・フランチョーザ、ルキーノ・ヴィスコンティ
撮影:
ジュゼッペ・ロトゥンノ
音楽:
ニーノ・ロータ
製作:
ゴッフレード・ロンバルド

キャスト

ドン・ファブリツィオ サリーナ公爵:バート・ランカスター
公爵の甥タンクレディ:アラン・ドロン
アンジェリカ・セダーラ:クラウディア・カルディナーレ